iTunesがCDを凌駕しようとしている。
日本で制限されていたiTunesの機能が先日解禁されました。詳細は以下の記事がおすすめ。
【西田宗千佳のRandomTracking】米Apple担当者に聞く「日本での音楽ビジネス強化」 -AV Watch
iTunes in the Cloud の安心感がすごい
まず iTunes in the Cloud により楽曲データのデバイス間共有がぐっと楽になりましたがクラウド化の目玉はそこじゃないと思ってます。重要なのは支払いの対価が楽曲ファイルそのものから楽曲データをいつでも取得できる権利に昇華した点です。
今までは購入した楽曲ファイルを無くしてしまったら再度購入するしかなかったわけですが、クラウド化により何度でも再取得が可能となります。またファイルベースのクラウドとも違うのでユーザーの操作ミスでクラウド上のファイルを消してしまうなんて心配も無用です。
つまりこれからは一度購入した楽曲はクラウド上に必ずあるということが保証されます。この安心感はすごいですね。ユーザーは購入楽曲の破損や紛失というリスクから完全に解放されたと言っていいでしょう。これはCDなどの物理メディアはもちろん、単なるダウンロード購入ファイルでは実現できなかった新たな付加価値です。
WALKMANユーザーにはうれしい全曲DRMフリー
さらに今回iTunes Storeの全曲がiTunes Plus対応となりました。つまり全曲DRMフリーとなったわけで、これはWALKMANユーザーとしては非常にうれしいニュースです。さっそく数曲購入、ちゃんとWALKMANで再生することができました。コピー制限もないのでCDから読み込んだものとまったく同等に扱えます。Androidユーザーにも朗報ですね。Storeの売上あがるだろうなあ。それとWALKMANの売上にも貢献するんじゃないかなあ。
楽曲のアップグレード
これは既存のサービスのはなしですが、非iTunes Plusの楽曲をiTunes Plusへアップグレード(差額分有償)することができます。ということはもしも将来さらなる配信データの改善が行われた場合でも同様にアップグレード対応してくれるんじゃないかと期待しちゃいますよね。だとするとこれもまた物理メディアには真似できない新たな付加価値となるわけで、現時点ではまだCDのほうが音質が良いですが、将来的な可能性まで考えるとCDは音質面での優位性すら危ぶまれる状況になってきました。
CDを買っておけば間違いない、という時代ではなくなってきた
わたしは今まで金額に大差ななければダウンロード購入よりもCD購入を迷わず選択してきました。しかし今回のiTunesの機能解禁により「CDを買っておけば間違いない」という考えがもはや通じない時代に入ったと感じます。CDとともに育ってきた世代の一人として、CDの行く末を見守っていきたいと思います。